低金利という幻想

流動性

 

市場は今、ファンダメンタルズではなく、流動性(アメリカ金融引き締め政策)に基づき、全ての相場で連動するようになっている。

https://tadamitsu.com/archives/158

市場は低金利が当たり前と楽観的だ。この幻想はいつまで続くのか?

 

世界は、1980年以降金利が下がり続けてきた。長期的にみて、私が生れてからずっと下がっている。つまり、中央銀行が金利を下げ、市場に資金を供給し続けることが当たり前だと、私たちは考えている。

アメリカが利上げをしても、資金の供給はまだ続くのでは?と今でも思っている・・・そぅ、思い込んでいる。

「本当の限界はまだ先だ!それまで株価は上昇し続けるんだ!」っと。

アメリカの長期金利上昇は、不景気を招く。ただし、タイムラグがある。

金利が上昇しても給与が上がらなければ、ローンを組んでいる人にとってはジワジワトボディーブローのように効いてくる。毎月使えるお金が減っていくからだ。更にモノの値段が上がれば、ストレート一発KOとなりかねない。

ただ、市場は楽観的だ。不景気になれば、また中央銀行は金利を下げ資金を供給してくれると思っている・・・そぅ、思い込んでいる。

2008年リーマンショックで株価が暴落し、中央銀行は金利を下げ、資金を供給(量的緩和)した。その幻想がまだ残っている。その時、市場は強烈に反応し株価は上昇した。今、アメリカが行っているのは、これと真逆の事。しかし、市場は完全に無視している。何なら株はまだ上昇するのでは?とさえ思っている。

行動心理学から見てもこれは面白い。市場が思うと、それに沿って動くことがあるからだ。楽観的なら楽観的なほど上昇するだろう。その流れに乗るのもありだ。ただ、私は乗らない。ジェットコースターにシートベルト無しで乗っているようなものだ。スリルはたまらないが、そのリスクには乗れない。

私たちが注意するのは目先の金ではなく、スタグフレーション(物価上昇、賃金据置)にいかに備えるかだ。

次回、今インフレが何故起こるのか?その理由について考えてみたい。

 

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